トランプ勝利1ヶ月後の米国市況

投稿者:

トランプが選挙で勝利して丁度一ヶ月。選挙後の米国市場ではセクターによる騰落の差異が顕著になってきた。
SPDRセクター別ETFのパフォーマンスを見れば一目瞭然。
Post_TrumpVictory
勝ち組は金融・工業・エネルギー・素材。テック・ヘルスケアは振るわない。負け組は消費安定・公共。言うまでもなく、トランプが景気刺激策と自国産業活性化を政策に掲げているので、対応するセクターが素直に騰げているという訳。金融が元気なのは、金利上昇で長短金利差による収益改善が望めるという思惑かな。一方、これまで利回りの比較優位で買われていたセクターからは投資資金が逃げ始めている。
エネルギーセクターが直近で勢いづいている背景にはOPECの原油原産合意があるが、これもまた中東に対してタカ派の閣僚を登用したトランプの決定の影響。総じて、目下は政治が主導する相場。
株式以外で振るわないのは、REITと米国長期債。ETFの価格を見ると、REITはなんとか踏ん張っている感じだが、長期債ETF(TLT)の下げは顕著だ。
REIT_TLT
利上げがあれば相対的に債券価格は下るという教科書的な理由の他、トランプの大幅減税政策に伴う米国政府の財務悪化から、米国債が格下げされる懸念も手伝っているのだろう。これまた政局がらみ。
理由はどうあれ、投資家としてはこのトレンドに逆らわない事が肝要だと思う。ゆめゆめ自分のスタイルに固執して、現実を見誤らない事だね。